2012年8月10日金曜日

Modern Architecture in Shanghai / 近代建築散歩 上海・旧香港上海銀行上海支店

旧香港上海銀行上海支店→二代上海市庁舎(1923)
(Japanese)


1923年6月竣工のこの建物は、旧香港上海銀行上海支店だ。香港上海銀行の英名は、Hong Kong Shanghai Bankで、略称はHSBC。HSBCは、皆さんも何度か目や耳にしているだろう。

建設に当っては、当時の頭取の指示で、金に糸目はつけず、見る者を圧倒するような豪華さを備えるものとして建設された。1853年の小刀会蜂起による上海県城占拠、1862年の太平天国軍による上海市占拠、1911年より始まった辛亥革命と1912年の中華民国の成立など、内乱による混迷が続く中国で、預金者を安心させるという意図と、一攫千金を夢見上海に来て、成り上がって行く人々の自尊心を擽る建物にしようという意図があった。

正面入口に配された二匹のライオンは、『慎重さ』と『安全性』と、名付けられている。建物内部に入ると、ドーム天井に、太陽の沈まぬ国、大英帝国の象徴、太陽神アポロが描かれた天井モザイク画がある。

1920年当時、この建物は、スエズ運河からベーリング海までの間で最も美しい建物と称された。

太平洋戦争が始まると、この建物は一時日本軍に接収され、横浜正金銀行の管理下に移された。が、1945年、日本が敗戦すると、HSBCの下に戻された。

共産党による中華人民共和国が成立すると、業務が大幅に縮小され、1955年には、ここに上海市庁舎が移されている。

1996年、浦東発展銀行がこの建物の使用権を買い取り、現在の姿となっている。

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