2013年8月26日月曜日

Ancient Road in Setagaya ward, Flower Viewing Road at Kami-kitazawa / 世田谷区の古道、上北沢花見の道

最近、世田谷区の古道探険もネタが尽きて来ました。私の場合、週末のジョギングかサイクリングのついでに探険する(と、言うか、毎回同じ所を走るというのは飽きっぽい私には無理で、この古道探険がジョギング・サイクリングを続けられている最大の要因)ので、毎週末、さぁ行こうかと思い立ってからジョギング・サイクリングに行くまでに時間が掛かってしょうがない状態が続いております。

そんな感じで何時ものように地図を眺めていると、経堂の北西部に何やら丸い道がありました。


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古道かなということで明治13年古地図を確認しますとやはり古道。

出典: 独立行政法人農業環境技術研究所、歴史的農業環境閲覧システム

しかし、どうも腑に落ちないんです。

と、いうのもこの道、西は滝坂北道と鎌倉道の出合いから、鎌倉道を南に伸ばす向きで始まっています。東はと言うと、ぐるっと半円形に回った後、縦ラインの古道を経由し再び滝坂北道に戻っています。甲州道中に出たいんだったら、素直に滝坂北道を行けば良いものを何故?


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青が滝坂北道、赤が鎌倉道、緑が縦ラインの古道、黒が今回探検の古道
出典: 独立行政法人農業環境技術研究所、歴史的農業環境閲覧システム
さては地形か?!と、地形図を見てみます。

ちょっと黒が見づらいですが・・・むしろ、今回探険対象の道の方が、アップダウンが激しいです。
ん?!大した違いはありませんね。確かに、ここは北沢川が削った谷。けど、どちらのルートも谷を越えます。

じゃあ何でなんだろうなぁと色々考えてみましたが答えは出ず。と、いうことで上北沢の歴史を調べてみました。すると、アッサリ分かりました!

江戸も文化・文政の頃になると庶民の間にも旅行がブームになって来ました。上北沢も、以下の名所で旅行先の一つだったようです。

・密蔵院の枝垂れ桜
・鈴木左内家の牡丹園
・榎本平蔵家の藤
・榎本喜太郎家の霧島ツツジ

これら花の名所をプロットすると・・・


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出典: 独立行政法人農業環境技術研究所、歴史的農業環境閲覧システム
見事にこのルート沿いになりました。この道は、上北沢花見ルートだったんですね。(榎本喜太郎家は見つかりませんでしたが、まぁ、近所でしょう。)

2013年8月1日木曜日

Modern Architecture in Japan, Meijiseimeikan, Marunouchi of Chiyoda ward, Tokyo / 近代建築散歩、丸の内、明治生命館


古典主義建築の集大成とも呼ばれるこの明治生命館は、1930年(昭和5年)9月に、設計は岡田信一郎・捷五郎(兄弟)、構造設計が内藤多仲で起工し、1934年(昭和9年)3月31日に竣工しました。

何故、この建築が古典主義建築の集大成と呼ばれるかというと、モダニズム建築の傑作と称される東京中央郵便局が前年に竣工しているからです。以降、古典主義建築は影を潜め、モダニズムが台頭してきます。

東京中央郵便局、Wikiより。素晴らしい写真です。
2001年から改修工事が行われましたが、30階建ての新しいビルと一体化することで、この古典主義の集大成である歴史遺産が残されることになりました。

30F建ての新ビルと共に
おかげで、お堀端の景観は、高さ百尺で統一された美しいものとなっています。