2021年8月24日火曜日

古道グラベルロード&トレイル、多摩湖・狭山湖一周

前々から行こうと思ってたんですが、自走にしてはやや距離があるし、輪行だと不便だしということで、中々行けずにいたんですが、先日の台風とその後の長雨で、元々予定していたあきる野市、檜原村の山には行かない方が良いだろうという判断で、じゃあどこに行くか。

私のクロスバイク、スペシャライズド シラス エリート 2005年モデル(今や15年選手!!!, 良い具合にビンテージ化してきました。)を、フラットバー グラベルバイク化して暫く経ちますが、やはり、ステムの短さとライザーバーの高さから来る(特に)ダンシング時の窮屈感、長時間乗車時のお尻の痛さが気になり、ステムを下に移動するも今一つで、折角買った35mmステムでしたが以前のものに戻したので、また、フロント・リア両輪のホイール振れ取り、フロント・リア両輪ホイールのブレーキ片当たり調整、リアディレイラー調整もしたので、そのシェイクダウンも兼ねて、前々から行こうと思っていた多摩湖・狭山湖を一周するグラベルに行くことにしたのです。

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井の頭道、

京王線芦花公園駅付近で甲州道中から分かれる井の頭道の、現在の甲州街道を渡って暫く行った所のY字路。どちらも古道で井の頭道に行き着きます。

から、玉川上水を行き、ここはグラベルが楽しめます、

どんどん橋、ここから井の頭公園までグラベルです。

井の頭公園付近の玉川上水グラベル

境浄水場からは、東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線を行って、

どこまでも真っすぐ。多摩湖・狭山湖から境浄水場への導水管の道です。

多摩湖に到着です。

定番の構図ですが

いやいや、意外に近い。全然近い。いつもグラベル・トレイル目的で行く町田エリアよりも近いですね。これ、保谷狭山自然公園自転車道線が効いてるんだと思います。真っ直ぐだし、信号もあまり無いので。

上記写真のように都立狭山公園を通って、山口城址通りを北上し(ここ下りなんです。上記写真の堰堤まで大したものではないんですが上りなんです。折角上ったのに下ったんですね。今思えばそのまま多摩湖北岸の保谷狭山自然公園自転車道線を行けば良かった。山口城址通りは古道なんです。古道に拘ったばっかりに。), 埼玉県道・東京都道55号所沢武蔵村山立川線を左折して狭山湖に向かいます。ここから上り返して狭山湖外周道路です。

入って暫くは舗装ですがやがてグラベルになります。道幅が広いので、藪の心配が無いのが嬉しい。はい、このグラベルに注目してたのは、道幅が広く夏場に行けるグラベルロード&トレイルなのではないか、という理由からでした。町田エリアはほぼシングルトラックのトレイルなので、夏は藪で走行が難しくなります。幅の広いグラベルというといつも多摩川になってしまい、飽きるので、他を探していた、と、こういう背景となります。

グラベルになって割と直ぐの様子。ダブルトラックどころか車2台がすれ違えますね。

さて、この多摩湖・狭山湖一周グラベルロードですが、単なる湖畔の道、しかもこの湖は人造湖だから古道ではないと思ってる方もいらっしゃるかと思いますが、実は私もそう思ってたんですが、改めて迅速測図を見てみると、いやはや、狭山湖の元の川である柳瀬川とその北を流れる東川の間の尾根をトレースする一本点線の徒歩道古道だったんですね。

一本点線の徒歩道古道ですから村内を行き来する道だったと思いますが、狭山湖の湖底に沈んだ勝楽寺村の人々が使った道なんだとの思いを馳せてグラベルを楽しみます。

この辺りはダブルトラック

今の埼玉県と東京都の都県鏡、嘗ての武蔵国入間郡と多摩郡の郡境、2本道がありますが、右の見事な掘割が残る方が古道でしょう。この道はやがて駒形富士山村、宮寺村に接続します。

出会いの辻の庚申塔、これもこの道が古道の証拠ですね。

出会いの辻で折り返して野山北・六道山公園の尾根道を行きます。こちらも古道です。

須賀神社 奥の院

六地蔵の辺り、チャリの少し上、尾根道に小さく石塔があるのが確認できると思います。

今コロナで世の中は大変ですが、この六地蔵は明治30年8月から11月にかけて大流行した赤痢による死者を供養する為に造立されたということです。

この辺りは、焼き場という字で、正に、赤痢でお亡くなりになられた方々の火葬場だったんですね。写真のようにキレイに整備され、私同様、休憩している人も多くいらっしゃいましたが、そういう歴史があるのです。

1つ前の写真の須賀神社ですが、須賀神社と言えばご利益は厄除けで、1633年に悪病鎮護の為に祀られたと武蔵村山市史に記されています。

野山北・六道山公園の尾根道を走り終え、保谷狭山自然公園自転車道線で多摩湖南岸を通って、5枚目の写真の所まで戻って、もう一周行きたいなと思いましたが、実は前日から腰が痛かったので、無理せず帰路につきました。

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如何でしたでしょうか。

まずグラベルロードとしての魅力みたいなことですが、期待以上でした。これだけの長さ、広さ、アップダウンは適度で押し・担ぎは不要だし、非常に良かったです。冬に再訪します。

さて、下図は武蔵野台地を中心とした地質図です。

出典: 産総研地質調査総合センターウェブサイト(https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#10,35.76286,139.48497)

ほぼ真ん中に位置させた横向きのアーモンドのような薄いグレー部分が多摩湖・狭山湖がある山になります。この薄いグレー部分の中の黒い部分はダムの形をしています。

この薄いグレーのアーモンドを含んでその周りは緑で平行四辺形のような形になってます。周囲は黒い線と東京湾で囲まれています。この黒い線は北が入間川・荒川、南が多摩川です。

このエリアが武蔵野台地です。つまり、多摩湖・狭山湖の山は武蔵野台地の中にポツンとまるで島のようにあるということです。

薄いグレーのアーモンドの直ぐ左、扇の要のようになってるのが分かりますか?

はい、武蔵野台地は古多摩川の扇状地で、入間川・荒川も嘗ては古多摩川であったということが分かります。

古多摩川が嘗てこのエリアにあった何もかもを押し流したんですね。その上に富士山や浅間山の火山灰が降り積もって武蔵野台地が出来上がりました。

そんな中にポツンとアーモンドがあるわけです。はい、そうなんですね。このアーモンド、多摩湖・狭山湖の山は、古多摩川に押し流されなかった最も古い地質が残ってるエリアなんです。