2013年7月28日日曜日

Modern Architecture in Shanghai, Marvel Hotel / 近代建築散歩、上海、商悦青年会大酒店


延安高架路から
又、上海に出張に行ってきました。

今回泊まったホテルは、商悦青年会大酒店でした。この建物も、近代建築です。泊まった利点を活かし、詳しくご紹介します。

このホテルの前身は、八仙橋青年会大楼で、中国人デザイナーが最初に設計した中華スタイルの高層建築でした。中国人建築家の李錦沛、範文照、趙深が設計にあたり、老舗のゼネコンである江裕記が施工を担当しました。

建設にあたっては、YMCAが投資しています。

1929年10月に着工され、1931年に完成しました。洋風クラシック建築と中国の伝統的建築が融合した、中洋折衷のデザインです。

日本の近代建築の歴史にも、帝冠様式という、和と洋が折衷した様式があります。明治になり一気に洋風建築が入ってきましたが、1930年代のナショナリズムを背景に、和を前面に押し出した建築様式が出てきました。

帝冠様式の象徴的建築、愛知県庁、Wikiより
中国でも同じようなムーブメントが起きていたんですね。建築にもそのような時代背景があらわされていることが興味深いです。

さて、入口を入ると、重厚な石造りの装飾がある階段が出迎えてくれます。

石造りの階段とその装飾
踊り場からは見事な天井絵とシャンデリアが追い打ちをかけます。

階段踊り場から、天井絵とシャンデリア
ロビーに入ると、落ち着いた雰囲気の空間があります。

ロビー
部屋からは、中洋折衷の象徴であるデザインが間近に見られます。

部屋から。天井絵もこの壁の絵もすべてハンドメイドです。
因みに、向こうに見える金色のビルがうちの会社です。てっぺんの丸いところは広東のレストランで、回るんです。
1847年のアヘン戦争に敗れ、列強にいいようにやられながらも、辛亥革命などを通じ自国のプライドを少しずつ醸成していった結果が、この建築だったのではないでしょうか。

2013年7月4日木曜日

One Hundred Famous Views of Edo by Hiroshige Utagawa, Summer No.48 "The Paulownia Garden at Akasaka", 49 "Night Rain in the Paulownia Garden at Akasaka" and Autumn 86 "Kinokuni Hill and Distant View of Akasaka and the Tameike Pond"

赤坂桐畑
Painted by Hiroshige in 1856 - 1858
Photo by myself in 2013

 赤坂桐畑雨中夕けい
Painted by Hiroshige in 1856 - 1858
Photo by myself in 2013

紀ノ国坂赤坂溜池遠景
Pinted by Hiroshige in 1856 - 1858
Photo by myself in 2013
広重の赤坂3部作です。

溜池がポイントになっていますが、3つ目の紀ノ国坂赤坂溜池遠景に描かれているのは弁慶掘りです。方向的には溜池ですが、描かれていません。と、言うか、ここからは見えないんです。

ここは、溜池もあるし山王さんもあるし、名所だったのでしょうね。溜池は、今は埋め立てられ道(外堀通り)になっていますが、道を池だと思って写真を見ると、雰囲気は残ってます。

外堀通りを南下していくと、以前ご紹介した葵坂に行き当たります。葵坂まで含めると、4景ですね。


より大きな地図で 赤坂4景 を表示

1858年作成古地図、精度の問題で若干、ズレています。
それにしてもドでかい紀伊殿の大名屋敷敷地、今は、赤坂御用地となっています。
紀伊殿、井伊掃部、もう一つの紀伊殿の辺り。井伊の上に、『尾』の文字が見えますが、『尾張殿』です。紀伊殿と尾張殿と井伊で『紀尾井町』なんです。

2013年7月1日月曜日

Modern Architecture in Japan, Daiichiseimeikan at Marunouchi of Chiyoda ward, Tokyo / 近代建築散歩、丸の内、第一生命館

第一生命館、1938年(昭和13年)竣工
古いような新しいような、アールデコといえばアールデコだし、そうでないと言えばそうでない。そんな不思議な、なんとも言えないようなデザインの近代建築です。

戦前の竣工で、戦時中は屋上に高射砲陣地が置かれたりしましたが、戦火を逃れ、戦後は、GHQの本部として使われ、マッカーサーが毎日通勤していたビルとして、非常に有名です。質実剛健とした威圧感のようなものが、選定の理由でしょうか。

日比谷濠越しの眺望
右から、第一生命館、帝国劇場、東京会館、東商ホール、明治生命館。
高さの面が百尺で統一され、美しい景観を作っている。